《1》僕ね、今日この会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
《2》あのう……突然こんなことを聞いて変かもしれませんが、坂上君って、友達とかいますか?
《3》……僕の話、退屈ですか?
《4》これから僕が話すのも、そんなトイレから始まる話です。
《5》退屈な話だったら、やめたほうがいいですかね?
細田は目に涙を潤ませながらトイレにまつわる怪談を話し始めた。こんな奴の話を聞いていたら僕の方が気が狂いそうだ、と苛々が収まらない坂上であった。
※メインシナリオである[魅惑のトイレ]のあらすじは、小説版もしくはVNV(ビジュアルノベルバージョン)「学校であった怖い話」などに収録されている話と同じであるため割愛します
僕の推理が当たっているとは思いませんか?
坂上に否定された細田は、誰も信じてくれなくたって、僕は僕だってわかってる。僕は僕なんだ!と主張し、話が終わった。
※選択肢以降のテキストは小説版、VNV等と同じであるため割愛します
この学校には、使用を禁止されているトイレがあるという。
坂上君、その使用禁止のトイレはどこにあると思いますか?
細田が一年生の時のクラスメイトだった三上ゆかりという女子生徒は、大人しくいつも本ばかり読んでいた。そんな彼女が気になった細田は彼女を観察するようになる。ある日、細田が旧校舎へ向かった彼女をつけていくと、悲鳴が聞こえ、その後二階の女子トイレで変死した彼女を発見した。細田はすぐに先生に報告したが、警察が旧校舎に向かうと彼女の死体はなくなっており、その日を境に彼女は行方不明となる。今でも細田は警察や先生から疑いの目を向けられているらしい。そしてそれ以来、夜になると旧校舎二階の窓が光ることがあるという。
ある日細田は便意を我慢することができず、立ち入り禁止になっている体育館のトイレへ忍び込む。そのトイレは焼け落ちたようにボロボロで、壁には人の影のような染みのまわりに、夥しい数の釘が打ち込まれていた。用を足した細田がトイレを出ると、そこで松宮直樹という男子生徒と出会い、友達になる。ある時松宮は体育館のトイレであった出来事について語った。松宮には横田という親友がいたが、彼の裏切りによって、加藤と杉本という不良に目をつけられたこと、そして復讐のため、加藤と杉本には火をつけ、横田を壁に磔にしたというのだ。今でも松宮は横田が壁から抜け出ないように釘を打ち込んでいるのだという。
ある日細田は便意を我慢することができず、立ち入り禁止になっている体育館のトイレへ忍び込む。そのトイレは焼け落ちたようにボロボロで、壁には人の影のような染みのまわりに、夥しい数の釘が打ち込まれていた。用を足した細田がトイレを出ると、そこで松宮直樹という男子生徒と出会い、友達になる。ある時松宮は体育館のトイレであった出来事について語った。かつてこの学校には加藤と杉本という、とても恐れられている不良がいた。小野寺先生という体育教師は彼らを更生させようとしていたが、逆に二人に襲われ、人間標本というリンチにあい、灯油をかけられ火をつけられてしまう。死を覚悟した小野寺先生だったが、助けてほしいか、という声が聞こえ、助かりたいと応えると、血を捧げ続けるよう命じられた。小野寺先生らは、トイレに住まう何かを呼び醒ましてしまったようで、今でも血を吸われ続けるという行為が続いているのだという。話を終えた松宮は細田に襲いかかったが、細田はなんとか逃げ出すことができた。
友達のいなかった細田は一年生の時、彼氏に振られたことを理由にトイレで自殺を図ろうとしていた室戸葵という女の子と知り合いになる。ある日、細田は室戸に誘われ一緒に下校することになったが、そこで室戸の元カレが新しい彼女と歩いているところを目撃してしまう。ショックを受けた室戸を慰めると、彼女は細田にあることを頼んできた。
《1》坂上君。彼女は僕に何を頼んだと思う?
《2》……坂上君。君はなぜ僕を、トイレに呼び出したんだと思う?
細田は室戸から元カレである片瀬の今の彼女である戸沢を呼び出して欲しいと頼まれた。細田は戸沢の持ち物をこっそり盗み、それをダシに戸沢を屋上に呼び出したが、次の日、戸沢は屋上から落ちて亡くなっているのが発見される。言い合いになってもみ合っているうちに落ちてしまったと、細田は室戸から告白された。それは二人の間の秘密となる。細田は室戸に好意を持つが、室戸の心は片瀬にしかなかった。ある日、細田は室戸とヨリを戻した片瀬がキスをするのを目撃してしまうと同時に、室戸が細田のことをなんとも思っていないことを知り、二人の秘密を警察に話してしまった。戸沢の死に疑惑があった警察が室戸に話を聞こうとすると、室戸は屋上に逃げ、そこで戸沢の霊に襲われ転落死してしまう。その後細田は亡くなった二人の霊を成仏させようと片瀬を夜の校庭に連れてきたが、二人の霊は片瀬の取り合いを始め、両腕をもがれた片瀬も亡くなってしまった。その事件以降、室戸の霊が、細田の事を見続けているという。
細田が待ち合わせ場所のトイレに行くと、室戸は、私の代わりに死んで欲しいの、と言ってきた。憎い彼氏を苦しませて呪い殺すために生贄を捧げる必要があるのだと。するとトイレから黒い赤ん坊が現れた。室戸はその赤ん坊を抱きあげると、この子は私と彼氏の子供だと言った。上手く育ってくれないのでトイレに流したのだが、それ以来そこに入るとそのが現れ、恨みをはらすには色々な命が必要と言われたらしい。室戸はロープを持って細田に自殺を促したが、細田はそれに抵抗して何とか逃げ出した。次の日、細田が学校に行くと、彼女は例のトイレで自殺していたという。
わざわざ深夜のトイレに呼び出される事を疑問に思った細田は、尻込みして結局待ち合わせ場所には行かなかった。次の日細田が学校に行くと、室戸は待ち合わせ場所のトイレで首を吊って死んでいた。後に彼女は事あるごとにそのトイレで自殺未遂を繰り返しており、虚言癖もあることからクラスで浮いた存在であることを細田は知る。彼氏の話も嘘だったのだ。今でも二階のトイレに入ると女子トイレの方から室戸の気配がするという。
《1》坂上君。いきなりの質問なんだけど、君はトイレって好きかな?もちろん……今の質問は、これから話す話に密接に関係してくることなんだ。
《2》それじゃあ駄目だよ。どっちかはっきりしてもらわなくちゃ。
《3》細田はこの学校で半年前に流行ったサトリサマの話をし始めた。サトリサマからの手紙が机の中に入っており、それには手紙を受け取った人の友人や恋人の陰口が書いてあるのだという。そしてそのサトリサマの正体が実は細田だというのだ。友人のいなかった細田はトイレにこもりがちになり、そこで聞いた人の悪口をもとにネタを集め、手紙を書いていた。
そしてある日も、細田は情報を集めようとトイレに入った。
……坂上君、その日、僕はどこのトイレに入ったと思う?
いつものように細田が一年生のトイレで情報を集めようとすると、個室の隣から「君のしてきたこと、知ってるよ」と声が聞こえてきた。細田は慌てて外に出たが、トイレには誰もいなかった。そしてその日からもう一人のサトリサマからの手紙が来るようになり、その手紙によってクラスメイトの米田秋は自殺してしまう。細田があの声の聞こえてきたトイレをもう一度調べると、中から首吊り死体の霊が現れ「これでわかっただろう?」と喋ってきた。彼は昔、友人からの告げ口が元になっていじめられ自殺した生徒の霊だったらしい。彼は細田に忠告をするために出てきたのだろうか?
細田は他の学年のトイレで張り込むことにしたが、男子生徒の会話から、サトリサマが誰なのか皆疑心暗鬼になっていることを知り、しばらくサトリサマの手紙を自重するようになった。それからしばらくして、五人の男女が細田の前に現れた。彼らこそ元祖サトリサマだったのだが、細田の手腕を見事に思い勧誘しにきたのだ。こうして細田は正式なサトリサマとなった。坂上はトイレが嫌いと言っていたので、サトリサマに入れるよう口開きはできかねる、と言われた。
細田は他の学年のトイレで張り込むことにしたが、男子生徒の会話から、サトリサマが誰なのか皆疑心暗鬼になっていることを知り、しばらくサトリサマの手紙を自重するようになった。それからしばらくして、五人の男女が細田の前に現れた。彼らこそ元祖サトリサマだったのだが、細田の手腕を見事に思い勧誘しにきたのだ。こうして細田は正式なサトリサマとなり、坂上も勧誘された。
夜になると泣く夜泣石がこの学校のトイレにあるという。ただし、そのトイレは何年か前にある事件が起きてからは倉庫に改装されてしまったのだが……
坂上君、そのある事件とはどんな事件だと思いますか?
事件とは、夜遅くまで残っていた女子が乱暴されて殺された強姦殺人事件だった。事件以来、そのトイレでは女の気配や泣き声が聞こえてくると噂になり、それを確かめようとした佐々木(仮)という生徒は、例のトイレで夜泣き石を見つけた後で恐怖体験をし、後日首吊り自殺を図り亡くなった。その後トイレは倉庫へと改装されたが、同じ事件が何度も起きているのだという。そして細田もその場所を見つけ、霊に襲われそうになった体験をしたと語った。
事件とは、望まない妊娠をしてしまった女子生徒が学校のトイレで出産し、その場で我が子を石で殴って殺したというものであった。そのトイレは倉庫に改装されたが、そこから赤ちゃんの泣き声が聞こえるという噂が流れ、実際にそれを聞き、頭の潰れた赤ちゃんの霊を見てしまった当直の先生は退職してしまったという。そして細田のクラスにいた藤井(仮名)という女の子も、その泣き声を聞いてから様子がおかしくなり、非業の最期をとげた。
細田が一年生の時、同じクラスの佐伯邦彦という男子生徒と友達になる。佐伯は、夜中の十二時から夜明けまで一緒に過ごせば永遠の友情が得られるというトイレの噂を確かめるため、細田と二人でそのトイレの個室に入った。しばらく二人で語り合っていると、突然周囲の空気が変わり、外から足音が聞こえてきた。
《1》坂上君。君はトイレの外にいるのは、一体何だと思いますか?
《2》佐伯に頼まれ、細田がトイレの外の様子を見ようとすると、そのまま外に押し出されてしまった。そのトイレは本当は『裏切りのトイレ』を呼ばれ、深夜に二人で入って一方を魔物の生贄に捧げると、残った一人の願い事を叶えてくれるのだと。しかし、生贄にされたのはトイレに残った佐伯の方だった。細田が個室の中を覗くと、人間の手のような影が手招きをしていた。
……坂上君。一体、こいつは何者だと思います?
《3》細田は、そのトイレに住む魔物、トーマ君と友達になったという。そして坂上をトーマ君のいるトイレに連れて行ってあげるといった。
……何でそんなに嫌そうな顔をしてるんですか?
しばらくすると佐伯が背を向けていた壁が強い力で叩かれ、壁の下の隙間から濃い闇が流れ込んできた。パニックになった佐伯は外へ逃げようとしたがドアが開かない。細田は、これは友情を試す試練だとして説得したが、佐伯はそれを聞き入れず外へ出てしまい、闇に飲み込まれてしまった。外へ出た佐伯と、助けられなかった細田、どちらが友情を裏切ったのだろうか。
恐怖で逃げ出した細田の足を掴むものがいた。それは佐伯であった。しかしその顔は人体模型のように皮膚が食い破られ、その姿に驚いた細田は、助けてくれと懇願する彼を足蹴にして家へ帰ったのであった。佐伯は以来行方不明となる。
早速、明日トーマ君に会いに行こうという細田であった。
トーマ君は、きっとここに来てくれますよ、今日、新聞部の集まりがあることは伝えておきましたから、という細田。
細田のクラスにいる大河内雄大は、人が物事を起こす際の、絶好のタイミングを見ることができる能力があった。その能力から次第にクラスの人気者になっていった大河内だが、ある日細田に、その力の秘密を知ってもらいたい、と言われた。
坂上君。君は、大河内君の力の秘密は何だと思いますか?
大河内は細田に、首にある人面槍のようなイボを見せた。どうやら彼が力を使う度にそのイボは大きくなっていくようだ。ある日、細田が電話で大河内の家に呼ばれると、そこには顔半分を人面槍で覆われた大河内の姿が……。気を失った細田が目覚めると、そこは自分の家のベッドであった。夢だったのだろうか?学校に行くと、そこにはいつもと少し様子の違う大河内の姿があった。
細田は大河内の誘いを断った。やがて大河内は例の力のせいで、どんどんクラスの人気者になっていたのだが、ある日をきっかけにその人気は下降して孤立していき、最後には学校に来なくなってしまった。それからしばらくして大河内が登校してくると、彼はシャーペンやコンパスを目に突き刺し、ナイフで首を突いて自殺した。彼は最後に自分の『自殺するタイミング』を読むことに成功し、それを実行したのだ。